依存症は病気なの?
「依存症」とは、特定の物質(アルコール、薬物など)や行為(ギャンブル、ゲームなど)をやめたくてもやめられなくなる状態を指します。それは、個人の意志の弱さや性格の問題ではなく、脳の機能障害を伴う「病気」です。

依存症とは
依存症になると、脳の報酬系と呼ばれる部分に変化が起こります。通常、私たちの脳は、食事や運動、人との交流など、生きていく上で必要な行動に対して「快感」という報酬を与えます。しかし、依存の対象となる物質や行為は、その報酬を不自然に強く刺激します。これを繰り返すうちに、脳はその刺激を「なければならないもの」と認識し、自分の意思ではコントロールできない状態に陥ってしまうのです。
依存症は進行性の病気です。最初は趣味や嗜好の範囲だったものが、徐々にエスカレートし、やがて健康、仕事、人間関係、経済状況など、あらゆる生活に深刻な影響を及ぼすようになります。しかし、適切な治療を受けることで、回復し、穏やかな生活を取り戻すことが可能です
依存症の種類は?
依存症には、大きく分けて「物質依存」と「行為・プロセス依存」の2つの種類があります。
1. 物質依存
特定の物質を摂取することで、依存が形成されるものです。
アルコール依存症
飲酒をコントロールできなくなり、飲酒が生活の中心となる状態です。飲酒量が増え、アルコールがないとイライラしたり、手足の震えなどの離脱症状が出ることがあります。
薬物依存症
覚醒剤、大麻、危険ドラッグ、シンナー、さらには処方薬や市販薬など、特定の薬物の使用をコントロールできなくなる状態です。
ニコチン依存症
喫煙がやめられなくなる状態です。
2. 行為・プロセス依存
特定の行為やプロセスを繰り返すことで、依存が形成されるものです。
ギャンブル依存症
ギャンブルをやめたくてもやめられず、借金を重ねるなど経済的、社会的な問題を引き起こします。
ゲーム依存症
オンラインゲームやモバイルゲームなどに没頭し、学業や仕事、人間関係に支障をきたす状態です。WHO(世界保健機関)によって正式に「ゲーム障害」として国際疾病に認定されています。
買い物依存症
買い物をすることで一時的に満たされる感覚を得るものの、借金や不要なものの増加など、生活に問題が生じます。
摂食障害
拒食症や過食症など、食行動のコントロールを失う状態です。
依存症は、一見するとそれぞれ異なる問題のように見えますが、その根本には「やめられない」という共通の苦しみが存在します。
ご本人様へ(アルコール・ギャンブル・薬・ゲーム等がやめられないと感じたら)
「やめたいのに、やめられない…」
「もう一度、自分の力でなんとかしよう…」
「誰にも知られずに、この問題を解決したい…」
もし、今あなたがそんな気持ちを抱えていらっしゃるなら、どうか一人で苦しまないでください。それはあなたの意志の弱さではありません。 依存症という病気が、あなたの脳を乗っ取ってしまっている状態なのです。
あなたは、決して孤独ではありません。この問題は、一人で解決しようとすればするほど、深みにはまってしまうことが多いのです。
当院は、あなたが安心して話せる場所です。
あなたの秘密は厳守されます。 誰にも知られることなく、専門の医師やスタッフに相談できます。
あなたのペースで治療を進めます。 治療の第一歩は、あなたが「助けを求める」と決めることです。その勇気を、私たちは全力でサポートします。
さまざまな選択肢があります。 入院治療だけでなく、外来でのカウンセリングや、自助グループの紹介など、あなたに合った方法を一緒に見つけていきます。
一歩踏み出すことは、とても勇気がいることだと思います。でも、その一歩が、あなたらしい人生を取り戻すための、最も確実な道となります。
私たちと一緒に、未来を変えていきませんか。
ご家族の方へ(大切な家族が依存症かもと思ったら)
「最近、お酒を飲む量が増えたようだ…」
「夜中にこっそりゲームをしているようだ…」
「お金に困っているような様子がある…」
大切なご家族のこのような変化に気づかれたとき、心配や怒り、失望など、複雑な感情に襲われることと思います。
しかし、ご家族が「なんとかしてあげたい」と直接関わろうとすることで、かえって事態が悪化してしまうことも少なくありません。依存症の患者さんは、自分の問題を認めることが難しく、「病気」だと指摘されると、より頑なに反発することが多いからです。
まず、ご家族の方に知っていただきたいのは、「依存症は病気である」ということです。そして、ご家族だけがこの問題を抱え込む必要はありません。
ご家族だけでご相談いただけます
ご本人が受診を拒否される場合でも、まずはご家族だけでご相談にいらしてください。依存症への正しい理解を深め、どのように接すれば良いか、具体的なアドバイスをさせていただきます。が安心して休める環境を整えたりしましょう。
専門家のサポートを利用する
依存症の治療には、専門的な知識と経験が必要です。医療機関だけでなく、自助グループ(アルコホーリクス・アノニマスなど)や家族会といった、同じ悩みを抱える人々が集まる場所もあります。
「共依存」にご注意ください: ご家族が依存症患者さんの問題に深く関わりすぎて、ご自身の生活が困難になる「共依存」という状態に陥ることもあります。まずはご家族ご自身が心身ともに健康であることが大切です。
「本人のために」と思いつつ、どうすれば良いか分からず途方に暮れていませんか?私たち専門家を頼ってください。患者さんご本人だけでなく、ご家族の皆様が安心して生活を送るためのサポートも、当院の大切な役割です。